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すずめの戸締まりのyuiのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

3月11日ということで、黙祷をしてから、ちょうどこの日に観に行ってみようかと思いついて映画館へ。

被災地になる前の、何気ない日常の
「いってきます」「行ってらっしゃい」
の言葉たち、
「ただいま」「おかえり」
を待つことなく常世を彷徨うこととなった言葉たち。

凄惨な震災と、それによって人生が一変してしまった人たちの様子がニュースなどで分かっているからこそ、その時には気付かなかったが、確実に幸せだったはずのあの「日常」が眩しくて涙が出るほど悔しい。

被災したことで変わってしまった悲しい現実は、どれだけ時が経とうと復興が進もうと、きっと一生癒えない傷として残ると思う。それでも、誰しもこれから「大好きな人ができ、あなたを大好きと思ってくれる人がちゃんといる」「あなたは光の中で生きていく」そんなすずめの言葉に救われた。

子どもと関わることが多いけれど、もう東日本大震災のことを「経験」でなく「知識」としてしか知らない子ばかり、既にそんな時代。あの震災を忘れてはいけないし、自然災害は未然に防ぐことが難しいからこそ、いつそれが起こってもおかしくないことを常に考えて過ごさないといけない。今ある小さな日常の幸せを噛み締め、周りの人を、自分を大切にして生きていきたいと思った。


ー追記ー
考察を載せてる方の記述を見たらなるほどとなった自分(理解力乏素人)用
自然災害をテーマにしているとしか思わなかったけど、すずめと叔母の環さんとの関係性を描いた物語が同じように動いていたのだと知り感動。
自分はダイジンが最後まで何がしたかったのか不明でイライラさせられっぱなしだった。でも実は
、すずめから草太を奪う身勝手なダイジンは、特に悪気はなかったとはいえ、女性としての大切な20,30代の時間を奪ったともいえる幼いすずめと重なっていたということを知って目から鱗。「うちの子になる?」「うちの子になろう」すずめがダイジンに、環が母を亡くした幼いすずめに言った言葉も、そう言ったものの払うことになった代償に耐え兼ねて拒絶するところも同じで、これに気が付かないとは…もっと理解力鍛えねば…という念に駆られた。
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