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冷たい熱帯魚のyuiのネタバレレビュー・内容・結末

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

実際に1993年に起きた、埼玉県愛犬家連続殺人事件をモチーフにした映画。

とにかく落ち着いた生活を求めて生きてきたカタギの人間が、気に入らないやつは「ボディを透明に」して消せばいいと思ってるイカれた人間に巻き込まれ、イカれていく様子が怖かった。
あと人間をこの世から抹消する作業の様子がありありと描かれるので、結構グロい。

でんでんさん演じる村田が、初めはものすごい気のいいおじさんだったのに、だんだん周りの人間にNOを言わせない圧と狂気をにじみ出してくるの怖すぎた。初めに恩を売るのも全部全部計画なんだ…。そしてちょっとでも顔見知りになって、ちょっとでもビジネスの話を聞いた時点で、もう運命共同体に。関わりを断つことが許されない。(逃げたら消されると本能的に分かる…)
見ているこっちが生きている心地のしない映画だった。

消したいやつには飲み物に毒を入れていたり、消したい人間を細かく切り刻んで川に流し、魚に食べさせたり、灰となったものは山に撒いたり…これが全て実際の猟奇殺人事件のやり方と同じなんて衝撃すぎる。

余談

この実際の事件で殺されかけてたというお坊さんがテレビで語ったことをウェブサイトで見た。
この人が本当に映画の主人公のようになってたかもしれないくらい、あっちの世界へ引っ張られてたのに戻ってこれたのすごい…。
特に、合計3回飲み物を勧められて飲んでるんだけど、実はこの飲み物、何本かのうち1本だけセーフ、それ以外には毒を入れてあったらしい。3回もセーフの1本を選んで生き延びたなんて、本当にすごすぎる。こうやって生きて、その時の様子を伝えてくれる人がいてよかった。
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