面白かったというにはちょっと重すぎて、面白かったけど同じぐらい辛かったという感想が鑑賞直後の素直な気持ち。震災の表現が直接的過ぎて、震災をそれなりに経験・実感してる世代はそういう気持ちになるのではないか。
「いってきます」「おかえり」なんていう、日常的な些細なやり取りの愛おしさ。
震災で「死ぬのなんて怖くない」と心底思ってしまった子供が、そのまま生きてきた10年間と、これからの人生の意義。
そんな、普段想像も考えもしないようなことを、これほどまでに感じさせた上に、前向きに、面白かったと思えるエンタメに仕上げたのは、それだけで本当に素晴らしい作品と言えるのでは。
『君の名は』『天気の子』で災害を描いてきた新海誠の真骨頂ではないか。これを観る前までは、童貞拗らせてる癖の強い監督が、無理して大作を手がけているというイメージがどうしても抜けなかったけど、今回ではっきり分かった。この人には世間から期待されまくってるが故に色々な圧力がかかる大作でも、ちゃんと作り上げるだけの器があったんだ。(もしくは周りのサポートが強力になっただけか…?)
とにかく、すずめが震災孤児と知った瞬間から(酒を飲みすぎていたせいもあって)もう色々と耐えられなくてまともに観ることさえできなかったので、後でちゃんと見直したいと思います。