しょっさん

女子高生に殺されたいのしょっさんのネタバレレビュー・内容・結末

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

マンガ原作。原作が2巻で終わる短さと、ちょっと強引すぎる持って行き方だったものを、ここまで映画向けに広げた割には、ある程度しっくり来るように作ったのは好印象。田中圭は、ちょっといかれた役にするのにちょうど良かった感ある。

題材は、オートアサシノフィリアである春人が、いかに多重人格の女子高生にころされるかと言うことを、虎視眈々と狙うあらすじである。すごく良い。

9年もかけて、キャサリン人格になると、相手を殺せる力を宿す可愛いJKというけしからん設定の娘に、オートアサシノフィリアが、いかに殺されるかを競う内容は倒錯しすぎてて好き。

マンガ原作だと、かなり強引にころされにいこうとするんだけれども、映画の場合だと、結構緻密にやった感もあり、実際にキャサリンが春人に手を掛けるシーンが出てくるので、とても良い。キャサリンが春人の首絞めてるシーンでめっちゃ興奮できた自分も好き。

ということで、この設定だけでクラクラしちゃう人なら、ずいぶんと思い入れできる作品。ただ、この緻密じゃ内地密な計画だったり、五月の頼りなさとか、あおいのキテレツな具合とかが気になって、物語性や計画が気になってくるミステリマニアとかにはお勧めできない。

マンガ版だと、結構あっさり誰がキャサリンか(キャサリンという名前は後で出てくるけど)出てくるので、話の主題が春人がどのように死に向かって進んでいくか、だけど。
映画版は、キャサリンが誰かという部分が後回しにじわじわと持ってきてる。そのため、途中で一体誰がキャサリンかというネタとの並行で進んでいく割には、中途半端な時期に招待があっさりと出てくるのはちょっと興ざめ部分でもある。出さないなら、もっと最後の方まで出さずに、後だしで回想しても良かったかもしれない。せっかく、JKたくさんだすのなら、そういう点もあっても面白かったかもしれない。京子と愛佳の使い方が勿体ない。もっと使い勝手良かったと思う。

演技としては、田中圭と南沙良がちゃんとハマってて良い。最近、愛なのにでめっちゃ可愛いJKやってた河合優実が、眼鏡かけていかれた役やってるのが、誰だか分からないくらいに違っててびっくりした。どっかで見たんだけどとは思ったけど、真逆のキャラ設定すぎるのに、ようやっとる。大島優子も、もうすっかり女優さんで、濡れ場まで普通にやるんやね。ちょっと変な役だけど、順当か。

マンガよりも映画の方がよくできてたと思う。こういったいかれたキャラ主役にした映画をもっと作って欲しい。