Hrt

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズのHrtのレビュー・感想・評価

3.6
劇中でドブが放った言葉がこの作品を端的に表している。
「事実なんてそれぞれの心の中にあるんだ」
芥川龍之介『藪の中』のように登場人物の供述によって『オッドタクシー』全13話を再構成する演出は良かった。
そもそもなぜまだ動物の風貌で登場人物たちが出てくるのか。
それはあのインタビューパートが“オッドタクシー作戦”以前の収録だったからということが言動から推察できる。
そして誰に対して話しているのかも後々明かされる。
一つの事件が発端となり様々な思惑が交錯し合うダークでユーモラスな群像劇を第三者からのインタビューに答えるという形を作ることにより彼らインタビュイーたちの一連の行動に多義性を持たせた。
その始まりには極めて無邪気な悪があり、その刃の切っ先は本作で小戸川にも向かう。
自分が見たかったのはもちろん最終回ラストカットのあの後だったのだが結末はあっけないものだった。
小戸川と白川のその後も含めてサービスカットのようなものだったと思う。
アニメを1年遅れで見始めてその緻密さに驚かされ熱を持ったまま本作を観たのが吉と出たのか、この2時間の会話劇も面白かった。
オーディオドラマ未聴なので全容を把握することはまだできてないが、じゃあ聞こうじゃないかと勢いづくぐらい自分は楽しかった。
ただつくづく白川は地雷な気がする。気をつけてほしい。
Hrt

Hrt