生まれつき聴覚障害のケイコは、下町の小さなボクシングジムに通いながら、プロボクサーとしてリングに立つ。母から「いつまで続けるのか」と言われたり、ボクシングジムが閉鎖されることを知ったりする中の、ケイコの心の葛藤が描かれた物語です。
大好きな女優、岸井ゆきの目当てで見ました。今作はほぼ台詞が無く、表情や目だけで感情を表現する岸井ゆきのの演技力にまずは驚きます。ボクシングがテーマの映画でありながら、いわゆるスポ根ではなく、非常に静かな映画であります。16ミリフィルムで撮られた少しざらついた映像は、聴覚でいうところの雑音を、視覚的に表現されたのではないかと思います。ケイコの心の葛藤を感じられつつ、でも映画としてはなにか心地よくて、何とも表現しにくい映画でしたが、良いなあって思える映画でした。
