おじいちゃんのゴールを見守ってほしい。
なぜ彼はそこに向かうのか？
妻メアリーを亡くしたトムは
バスの無料パスを使って イギリス縦断をするロードムービー。
その距離なんと1350キロ。
観ていると 彼女との過去が 断片的に映し出される。
少しずつ 2人の事が分かってくるのだけど
その長い道のりは トムはもちろんの事
目的を持って歩んでいる私たちも同じく
人生そのものを表しているのかもしれません。
どうか安全に辿り着いてほしいと私たちは観ているのだけど
バスで寝過ごしてしまって 夜中にひとりで彼が歩いてる時に
心がざわつく怪しげな音楽は やめて〜!!!と思いました。
道中に 様々な人たちと出会います。
心ない人もいれば 優しい人も。
その出会いのエピソードの中に一貫しているのは
トムの人に寄り添う優しさ。
目が潤む場面が 随所に。
わたしは「アメイジング・グレイス」を歌った場面が特に。
その歌詞に込められた想いと彼の想いがリンクして···
いつしか 観客の私たちと同じように
作中でも 彼のゴールを温かく見守っているのです。
トムのあの優しさは 大きな優しさとして返ってくるのです。
2人の愛情溢れた人生がしみじみと伝わってきて
観終わった時「君を想い バスに乗る」
この邦題が なんとも言えず素敵だと思いました。
