設計士あーさん

N号棟の設計士あーさんのレビュー・感想・評価

N号棟(2021年製作の映画)
4.0
ミッドサマーとは全くの別物でした。
無人のマンションに行ったはずが住民がいて、彼らの様子がおかしく次々人が死に…隠された秘密、彼らの意図は?という考察系映画。

考察するには少し描写が足りてないことが、脚本を読むと分かるらしい(大事なシーンがカットされている)
マンションに行ってからは現実ではなくなるのだが、それは途中からすぐに気付ける設定になっている。

夢を見る時によくある、体格差や力では絶対に勝てない相手に何故か勝てること、殺されそうになっても間一髪逃げ切れることが続く(しかし悪夢は続く)ことで気付けるようになっている。
特に主人公が細身の女性なので、これは彼女が作り出した世界なのだと分かる。

キスをすること、他者を認め合うこと、これが生きることなのだろうか。死んでも尚これらができるのであれば、冒頭に教授が語った死と生の狭間は曖昧であり、区別は出来ないのかもしれない。

私が今、生きていると証明出来るのは私自身の自覚に他ならず、死んでいる証明が自身で出来ないからなのかもしれない。