単調でつまらないという意見もその通りだと感じるが、個人的には抑揚の無い恐怖を感じれてとても良かった。
主人公マリアは聖母マリアがモデルだろうが処女懐妊という設定は継いでいない。
馬小屋でイエスを授かったマリア、羊小屋で羊人間「アダ」の誕生を見たマリア。
アダの誕生にマリアが直接関わっていない点が処女懐妊なのかもしれない。
山羊ではなく羊、そして羊飼い。
聖書に擬えて設定を作っているが、マリアは禁忌を犯し続けている。義弟との不倫(誘惑)、アダの親羊殺し、そしてアダに亡くなった娘を重ねること。
アダの役割は何だったのだろう。
光あれ、の言葉もなくアダは消えていった。薄暗い映画に光も灯らなかったと思っていたが、ラストシーンではマリアは懐妊したようだ。これが光なのだろうか。