Dumbo

オードリー・ヘプバーンのDumboのレビュー・感想・評価

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)
5.0
大スターと呼ばれた人ほど、
その人生は孤独なのかもしれない。


『ローマの休日』は若い頃から何度も観ていて、
私にとってとても大切で大好きな映画です。

でも正直に言うと、
他の作品のヘプバーンは、
そこまで好きではなかったんです…

作品中では、明るく無邪気で、時に奔放な女性の役柄が多いように思っていました。

本当のヘプバーンはどんな人で、
どんな人生を生きたのか…

今まであまり知らなかったのですが、
思っていた印象とは少し違いました。


もっと楽に生きられるのに、
過酷な道を選んでしまったり…

二度の離婚を経験していて、
求める愛は得られなかった。

きっととても不器用な人だったんだと思います。


世界中から愛されたヘプバーンに
共感したと言ったら、畏れ多いですが、

何度も何度も、
本当に何度も共感して泣きました。

帰ってきてからも、
なんだかまだ胸がいっぱいで、
上手く言葉が出てきません…



子どもの頃の戦争体験、
父親に見捨てられ、
二度の離婚や流産の経験、
夫の裏切り、
パパラッチや人の目に怯える生活…

女優としての華やかな印象とは裏腹に、
スターならではの苦悩の日々。

愛を与えるばかりの人生で、
自身は求めても、愛を得られなかった。

その得られなかった愛を、
他者を愛する力に変えて、

人生の後半はユニセフ親善大使として、
世界中の恵まれない子どもたちのために奔走した。


その姿は、一途で強くて美しかった。



“苦しみはのちに自分の助けになった”

ユニセフの活動で過酷な状況にいる子どもたちに心をよせて、
自ら広告塔になって活動していた数年間は、きっとオードリーにとって、
人生で一番幸せな時間だったのではないかと思いました。

結婚はしなかったけど、
最高のパートナーと出会えて、
人生の最後に自分自身を愛せたのも
救いだったと思います。


愛することができたのは幸運。
愛してもらえたらもっと幸運。

他者のために生きて、
最後は自分も愛せる、
そんな人生を私も生きたいと思った。

オードリーのように大きなことはできないけれど…

ほんの近くの、誰かのために。






Audrey
Dumbo

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