このレビューはネタバレを含みます
原作を読んでいないので、純粋に映画としての感想にはなるが、個人的にこういう勢いがあって、余分な(ときには必要な)説明をごっそり削ぎ落とした映画は大好きである。扱っている題材からすると雰囲気が重たくなりそうだが、クスッと笑えるエッセンスが随所に散りばめられていて、カメラと対象との距離感にリアルではない、高いリアリティを感じた。
今の時代、男女という枠組みで話をするのもどうかと思うが、本作が描くような女性同士の強い、強すぎる絆は実在するのだろうか。男性である私からすると、ときにそういう絆は羨ましくも感じるのだが、それは女性にしかわからない部分だと思うので、ぜひどうなのか聞いてみたいものである。
その意味で(?)、今回のキャスティングはなかなか良かったのではないだろうか。原作とのキャラクター性の違いはよくわからないが、永野芽郁さんのやさぐれた感じは新鮮で役者としての新境地を開拓した感じがするし、奈緒さんのああいったなんとも言えない役柄はどんな映画でもハマり役である。
セリフがセリフっぽく聞こえるところもあったが、それがかえって印象的で本作の重要なシーンとして頭に残った。
こういう自分が面白いと思える映画に出会えると、製作意欲が掻き立てられる。自分も負けてられないし、そのためにもっともっと精進しなければならない。さぁ、いつもより軽やかな足取りで、映画になるかどうかもわからない自分の拙い脚本に戻るとするか、、