マイ・ブロークン・マリコ
原作コミックは未読ですが、永野芽郁が今までのイメージとは違う役柄に挑戦したということで鑑賞してきました。
気の晴れない日々を送るOLのシイノは、親友マリコが亡くなったことをニュースで知る。マリコは子供の頃から実の父親に虐待を受けており、そんな親友の魂を救いたいと、マリコの実家を訪れ彼女の遺骨を奪い逃走する。
常に男から捌け口にされてきたマリコと、自身もブラック企業で日々酷使させられる "やさぐれ女子" のシイノ。
マリコはシイノに助けを求め、マリコを助けることで自分も支えられていたシイノ。実は共存関係にあって、互いの存在が全てだった二人。それすらも失ったシイノが、救えなかった後悔や、湧き上がる怒りと悲しみの中で、"しぶとく這いつくばってでも生きる" ことこそが、親友への弔いになるのだと気付いていく。
中学生からタバコを吸い、足を広げて座ったり、酒を飲みベロベロに酔ってキレたり、口が悪く荒っぽい性格のシイノを演じた永野芽衣。上品さやおっとりさが多少出てしまうところもあったが、今までの演技とのギャップを楽しむことができた。今後も様々な役柄に挑戦してほしい。
偶然旅先で出会った釣り人を演じた窪田正孝が、痛みを知っているからこその優しさで、絶妙な距離感を持って主人公を支える重要な役どころを好演。作品内でいいアクセントになっている。
