ゆめちん

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.5
コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-
 
1968年のシカゴ。主婦のジョイは2人目の子供の妊娠が原因で、心臓の持病が悪化してしまう。やむを得ず医師に中絶を相談するが、法律的に許されていなかった。そんな中、違法だが安全な中絶を手助けする "ジェーン" という組織に出会う。

中絶というシリアスなテーマではあるが、それほど重苦しくなく明るいタッチで描かれており、非常に見やすい作品になっている。
 
数年前に公開された "17歳の瞳に映る世界" や "あのこと" とも重なる本作。このジェーンという組織が約12,000人の女性の中絶を手助けしたことにまずは驚く。そして違法行為ではあるが、貧しい者や立場が弱い者を助けるために、自ら立ち上がる主人公の姿が心に響く。

恐ろしいのは、女性の生死に関わる問題を男性医師ばかりの会議で決めていたこと。さらに恐ろしいのは、今のアメリカがそこに逆戻りしようとしていることで、もう何も言葉が出ない。

シガニー・ウィーバーが70歳過ぎとは思えない若々しさが印象的で、まだまだ活躍してほしい。
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