つぐみ

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのつぐみのレビュー・感想・評価

4.2
すぐ公開終わってしまいそうなので急いで見に行ったら、前日見た「パストライブス」のジョー・マガロさんが出ていて声でかけました。シンプルにどタイプです!!大好き!!


私は割とラディカルにpro-choice派でして、USがトランプ再選になったら戦々恐々としています(デサンティスでもヘイリーが候補でも嫌だが)。方や日本もセクシュアルヘルスに関してはマジで終わってて、生殖しか教えない性教育も、OTCやモーニングピルをなかなか認可しない、低容量ピルの保険適用も渋りまくった政治も最悪すぎる。

だから男性にも妊孕力が備わらない限り、中絶も出産も決める権利は女性にしかないと思ってる。もちろん二者間の対話や議論は重要だけど、別にお前が妊娠も出産も、そもそも月経も経験してへんのやろ、なら黙っとけ!!くらいの気持ちです。外出しに失敗しようがレイプされようが、体も心も懐も傷つくのは(基本)女だけ、生まれてきた子を死なせてしまう悲しいニュースで罪に問われるのも(基本)女だけ。
親として私は女児に教えてあげることはできるけど、男児の親たちはどれくらい自分の子がいつか女性を傷つけるかもしれないって想定してるだろう。もちろん男性が性暴力や性被害の文脈で犠牲になるケースだってあるけど、一旦それは置いときます。

最初ジョイの中絶を認める認めない言ってるジジイどもに、「この縮図、今も変わっとらんやないか」って目ん玉ひん剥きそうになっちやった。グロテスクすぎる。
ジェーンに加わって、役割を与えられて生き生きとしていくジョイの姿に心が震える、エリザベス・バンクスってやっぱりすごくうまいなあ。ファッションやヘアメイクもとってもリアリティがあって、プリシラのそれの薄っぺらさとは違う…。

バージニアに「彼女たちをジャッジする必要はない」と諌められるのも、正しい寄り添い方。役割の切り分けも大事なんだよね。

もちろん彼女たちのやったことはイリーガルであって、問題があったのかもしれないけど、敵だと思い込んでた男性が助けになってくれる部分もあって、敵対は途中の過程にあっても、それを望んでるわけじゃない。ちゃんと本質に向き合っていきましょうって思える。

こないだのジュリアン・ムーアもだけど、このシガニー・ウィーバーも経験と年輪に裏打ちされた、頼もしさと説得力に改めて名優だなあと。今時セレブリティはSNSで私生活や信条もシェアしてナンボみたいなところあるけど、やっぱ俳優はスクリーンで全てを語ってほしいよ。

めちゃくちゃあっさりな幕切れだけど、闘いは現在進行形で続いているし、何もかもが一件落着する日なんて来ない。だけどYour body is always your ownだしYour voice must be always heardなのよ!!
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