いつにも増してシネマートの客層がシニア女性割合高くて「…すごいものを見た、としか言えないねえ…」とエレベーター降りたご婦人方が言ってたのがすごく良かった。すごいものを見た、と言うほどは正直すごくないんだけど笑、イ・ソルヒ監督とっても才能ある方だとお見受けしました、やっぱいいねー韓国映画。
介護や貧困みたいな社会問題への切り込み方としては、多分直近の邦画だと「月」が近いんだけど(いま公式サイト見たら石井監督もコメントしてたから感銘受けたのでしょう)、こっちはかなり粗っぽいところもあるし、何よりめちゃくちゃ胃がムカムカしてくる倫理的なバッドテイストも強いんだけど、「月」が薄味なのに対して、こっちは露悪でもきっちり落としたろうって腰が据わってるから「面白い映画を見た」っていう満腹感がある。好みの味付けかどうかは置いといて味噌煮込みうどんとか食べ終わったら「あ〜食った食った」って気分にはなるじゃない、その後胃がもたれたりムカついたりはするけど。
とは言いつつも二度と見たくはないし、見てる間もずっとイライラしてた。私は！とにかく！自分の意見をはっきり言わずに相手に察してもらおうとか、手を差し出してもらうのを待つだけの受け身な人間が本当に嫌い！！
ムンジョンも嫌いだし、スンナムはもっと嫌い！！過酷な状況に置かれてるのもわかるし、生存者バイアスみたいな言種にしたくないんだけど、富めるものも病めるものもそれぞれに事情があるのなんて当たり前の世の中で、あまつさえ手助けしてくれる人がいるのに、その厚意を無碍にして、何かをしない言い訳や免罪符ばかり探してるの悪質なんだよ。でもマジでスンナムの「こんなやつに付き纏われたらお仕舞い」感はすごい、地雷すぎる。グローリーってドラマすごい話題になってたけどすごかったんだろうなー、おそろしい。
嫌いイライラするとはいえ、どうかムンジョンが逃げ切って欲しいと言う気持ちもあって、これってピカレスクロマンなのかな。息子も息子で最悪なのであのオチは私は大好きです。
ちなみなタイトルがいうほどビニールハウス出てこない、半地下ほどじゃないがお屋敷パートの方がずっと多いよね笑
