Disney+ならこんなものも観られますよシリーズ。満を持してディズニーが世に放ったR-18作品は、サイコパスなバッキーが見られる佳作でした。加入者はぜひ！
こんな戦い方もできるのかディズニー！『ゲット・アウト』『ホステル』『羊たちの沈黙』をマイルドに合体させたらこうなった、みたいな映画。R-18の割にグロは意外と控えめなので、倫理的NGの壁を乗り越えられる人はそのまま観てください。でも逆に私のようなもっとぐちゃっとしたものが見たい人には物足りないかも。
デートが苦手なノアが理想の男性と出会って....？というラブコメ全開なアバンタイトルから、不穏な空気と共にオープニングクレジットに突入する流れ、モロに『ヒメアノ〜ル』じゃん。異ジャンル合体ものの導入としてこの上ない高揚感！
もちろん今更ディズニーがただのサイコエンタメをやる訳はなく、根底に流れるのは女性を（性的に、エンタメ的に）搾取する社会へのカウンターです。露骨なほどに男性（の力）＞女性（の力）である空間からの、脱出と反抗の物語。
冒頭の「アリエルが海を捨てて一人の男を選ぶのどうかしてるわ」みたいな発言をフリとして利かせ → いやいやお前も一目惚れした男の家にノコノコついていってるやないかい！を経て → 旧時代的社会をかなぐり捨てるラスト。
最終的に救世主と思われた某人が、救世主にあるまじき行動を取る辺りも抜かりない。
難点を挙げると、まず冒頭30分とラスト17分以外があまりに記憶に残らないこと。テーマ自体が鮮烈なだけに、展開の妙はあまり無いため中弛みを感じてしまいました。100分以内でいけたのでは....？
あとサイコパスなキャラを音楽に合わせて踊らせるの、そろそろダサい気がします。
やっぱりこの題材を敢えて選んだのなら、もっと激しいものが欲しいと思ってしまう自分がいました。
