【どうやって撮ったの…?】
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監督:ジェームズ・ホエール
製作国:アメリカ
ジャンル:SF・ホラー
収録時間:70分
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リード文のこの一言に尽きます。1933年という時代においてこのような撮影技術が確立していたとは驚きです。透明人間なので、物を動かす主体が見えないのです。今ではCGでいくらでも加工できますが、当時のことを考えると至難の技だったでしょう。内容もシンプルでわかりやすく、大変興味深いものでありました。
透明人間になる薬を自分に投与してしまったグリフィン博士。ある宿に泊りがけで元に戻る薬を作るのだが、怪しんだオーナーが彼に撤去を命じる。。
ユニバーサルホラーとしても有名な透明人間の元ネタはH.G.ウェルズの小説からであり、ユニバーサルがそれを映画化しました。『透明人間』というタイトルの映画はいくつかある模様で、今作が最古の作品だそうです。ちなみに2018年にはジョニーデップ演じる『透明人間』が公開されるようです。リブートですかね?
さて、今作はシンプル。透明人間になってしまった博士がひたすら悪事をしでかすというもの。衣服を纏ってる時は姿が見えますが、衣服を取れば何も見えなくなり捕らえるのも困難。警察が総出で彼を探しますがいつも上手く撒かれてしまいます。まあ確かにもし自分が透明人間になれてしまったらいろんな事を試すでしょう。しかし、この博士はやりすぎた。その結果、最悪の事態にまで事が進んでいきます。これはやはり、行きすぎた科学文明の警鐘かと感じました。人は便利な物を携えると心に悪が芽生えてくる。そんな事を語るには十分すぎるほどの題材でありました。
それにしても、どうやって撮ってるのでしょうか?撮影技術には疎いのでよくわかりませんが当時の技術でここまで編集出来るものなのでしょうか。自転車が勝手に漕ぐシーンなどは感心しましたし、当時の人がこれを見たら仰天していたのではないでしょうか。それ程、映像技術には感銘を受けました。
また、『タイタニック』の老婆ローズ役を演じた若きグロリア・スチュアートが出演してるのもぶったまげました。もちろんながら、フィルマークスのキャスト一覧を見るまで気づきませんでした(笑)グロリア博士を演じたクロード・レインズも、透明人間故に実際の顔が映るのはわずか10秒たらず。
恐らく「主人公の顔が映るのがもっとも短い映画」なのではないでしょうか?(笑)
ということでモノクロということもあり、怖くはないもののやや不気味なSFホラー映画に仕上がっています。70分しかないのでサクッと見れますので興味が湧いた方は是非。