ペコちゃん

ドント・ウォーリー・ダーリンのペコちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
ネットフリックスのあらすじを読んで面白そうだと思い鑑賞しました。

とても面白かったです。
鑑賞後、氣になった場面をもう一度観返しました。

哀しく記憶に残るシーンです。
なにも知らないままベッドに寝かされ機械を装着されたアリス。死んだような虚ろな目。その隣に横たわるジャック。

アリスが氣づかなければ2人はずっと幸せに暮らしていたのでしょうか。

ジャックはアリスをとても愛していたと思うのです。彼女の役に立ちたい。彼女をラクにしてあげたい。けれど自分にできることは何もない。その中で選択したことがビクトリー計画に参加することでした。

この計画の恐いところは、男性が妻として女性を自由に選べるところです。お互いに相思相愛であるならば、100歩譲って許せたとしても、男性側の一方的な氣持ちだけで夫婦になることを強いられた女性がいたのかもしれないと思うとゾッとします。

身体を捨て、脳が創りあげた仮想空間で生きることは幸せなのでしょうか。これから進んでいくAI時代に重なるような物語でした。

皮肉にも2人にとって思い出深いレコードによってアリスの記憶は完全に蘇ります。もっとも深いところに刻まれた記憶は決して失われないということを意味しているようで切ないです。残酷にもジャックがしたことをアリスは知ってしまいます。

最後、死んだジャックの魂がアリスに寄り添い「僕を置いていくな」と伝えます。あぁ、悲しくも切ないラブストーリーでした。

いったいこの砂漠で男達はどんな仕事をしていたのでしょうか。何を作っていたのでしょうか。

緊急事態に赤い服を着た人間がいっせいに現れるところは不氣味でした。