ペコちゃん

愛のコリーダのペコちゃんのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ(1976年製作の映画)
3.7
本番行為が含まれるような映画は、今ではとても考えられないだろう。大胆な性描写が満載だった。検閲を恐れて未編集のフィルムをフランスに送って編集し日本で逆輸入して上映するに至った作品とのこと。阿部定事件をもとにして作られた映画ということでどんな内容なのか興味を持って観た。

本能のまま動物的に求め合う、ただそれだけのようにも感じるストーリー。いやぁ、しかし凄いのだ。寝ても覚めても肉欲に溺れ快楽を堪能し尽くす。定の尋常さを越えるような発情はどこからやってくるのだろうか、惚れた男だからに尽きるのだろうか。

女中の前だろうがおかまいなし。第三者の目をいっさい氣にすることなく情事に耽けり没頭することができるというのもある意味才能でうらやましさも多少感じる。現代人の性は淡白すぎやしないかなどとイメージで思ってしまうのだけれどどうだろう?時には動物的に求め合うこと、理性のたがが外れるような瞬間も必要だと思うのだけれど。

しかし愛欲の果てが「死」に至るというのは好みではない。失楽園もそうだし、なぜに「死」に向かってしまうのか、わたしの人生経験では理解できないところである。