Totoire

僕らの世界が交わるまでのTotoireのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.4
『ソーシャル・ネットワーク』主演のジェシー・アイゼンバーグの初監督作品らしい。邦題の翻訳が内容とアンマッチあるあるのど真ん中。When You Finish Saving the World なのよ。ミスリードするからほんと止めてほしい。(読み間違えて観に行ったクチ)

ジェネレーションギャップと自己本位を掛け合わせた母子の歪な関係を痛さ全開で描ききっている脚本の緻密さ。映画だから滑稽だねで笑えるんだけど、実際に現実世界でもよくいるし自分がそうなっていないか自戒の念を持てる内容。自分の認識の枠を超えて相手を理解することの難しさは根深いよね。母子のそれぞれの痛さがメインディッシュなのだが、個人的には「お前ら自己愛が強すぎる」と諭す父親が二人が食べたい料理かも分からない家庭料理を振る舞うシーンは中々シュールでよかった。自己顕示欲とか自己肯定感を保つために相手を自分のフィールドに無理やり引きずり込むことってどこでもあるんだろうけど、アメリカの主義主張社会ではよりそれが顕著なんだろうなぁと風刺っぽく描かれていることも想像できた。相手が聞いていない話を永遠と話しているもんねマジで。
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