Totoire

落下の解剖学のTotoireのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.3
タイトルや予告編からのイメージと実際の内容にギャップがあった感じがした。作中のほとんどが法廷劇で淡々と裁判が進み、妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)が加害者的に見える物証を見せたり、後から実は...と息子の証言を元にやっぱり殺してないかも、と両面の可能性を織りなす展開。科学的な立証や解剖学の見地もあるにはあるけど客観的な証拠があまりにも少なく、検察側の恣意的な指摘に交わす攻防で「疑わしきは罰せず」という結論へ。ミステリーの醍醐味である展開のハラハラ感もなければ、登場人物それぞれへの感情移入のしにくさも相まって個人的にはなんかなぁという感じだった。考察自体を楽しむ作品として観るには良いが、腑に落ちない結末にモヤっと感じる人には消化不良で終わりそう。
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