登場人物それぞれの特殊な性癖、小児愛者が子どもに手出しをするのは被害者がいるので犯罪になるけど、水に性的興奮を覚えるのも、男性恐怖症なのに男性が好きになる嗜好の人も、欲自体に罪はない。欲の線引きの難しさや理解の域を超えた特殊性に悩まされる人の世界観を覗けたのは良い社会勉強になった気がした。序盤の方は日常生活にそこまで必用に怯えたり苦しむことないのになーと思いながら観てたけど、その見方がもはや彼らにとってはこの世界の人外として見られている恐怖感や絶望感に苛まれる目線でしかないのかと途中でふと我に返った。一般大衆側の人である寺井（稲垣吾郎）を介することで、大きな隔たりを顕著に描いてたのはまさに写し鏡なんだなという気付きを得られてなんとも言えない寂しさと虚しさを覚えた。自分にも相手にも、どんな人にも優しく在りたい。
