これは、学生時代に監督した短編なんですね。なのでソ連映画。
子沢山で生活ギリギリで喧嘩の絶えない夫婦の夫の方が妻の稼ぎを持ち出し、逃げた先が美術館。
妻も追いかけ、喧嘩は続き、怒鳴り合いの合間にもガイドツアーが絶えず入り、違うガイドが一つの絵について全く同じ案内をする。
ふと見るとその夫婦が暮らしているささやかな家が画題になっている。二人は喧嘩も忘れてこれは自分達の家だというのだけれどその結果は?
最初の最初からイオセリアーニはイオセリアーニだったんですんね。
でも、どうとでも想像を巡らせられる小さな家の住人の生活態度について全く同じ説明を複数のガイドがするというこの体制。
これは社会主義ではなく全体主義だわ。
結末はどうとでも解釈できるので、味わいが深い。