Masato

ザ・マザー: 母という名の暗殺者のMasatoのレビュー・感想・評価

3.2

JLO主演のアクション映画

守るために手放した娘が、裏切った元取引仲間に命を狙われるのを境目に再び戦いに挑む母親の物語。ニキ・カーロ監督なので描きたいことはよく分かるし、そのための物語の組み立ても納得できるが、アクション面もドラマ面も全体的に手緩くて上手くいっていなかった。

渋めのハードボイルドな物語。疎遠の娘を守るために身を捧げて贖罪を果たそうとする母親。母親と娘の交流のさせかたは雑だがまだ分かる。しかしながら、やんわりと娘が実の母親の存在を知っちゃっているところとか、母親の殺し屋故の苦悩や娘の普通じゃない親子関係の苦悩が無いに等しいくらいにあっさりと描かれてしまっていて、ドラマになりそうな良いところを描けていなくて非常に勿体ない。この設定だと疑似親子のほうがドラマとして描きやすかったのでは。アジョシやラスアスとかの路線のほうが良い。

また、主人公がなんでこんなにも強い殺し屋なのかが一切説明されていなくて、到底軍隊にいただけでは成し得ない戦闘スキルで(ネイビーシールズとかなら分かる)、どこでどんな訓練と経験を積んだらこうなったのかが分からない。というよりもFBIが無能すぎて笑えた。

アクション面についてもJLOがアクションをしているということ自体には見応えがあって個人的には良かったけども、アクション自体を客観的に評価するとしたら今じゃ生ぬるい。今は最低限のアクションが出来ていて、そこにプラスαの独自性を取り入れないとみんなは喜ばない。

アトミックブロンドみたいなノースタントアクションとか、ワイスピみたいにド派手で現実離れしたアクションとか、ジョン・ウィックのようなタクティカルなアクションとか。本作の場合は殺し屋なのでリアル志向のタクティカルなアクションを見せるべきだが、それができていなく、平凡なアクション映画にしかなっていない。シャーリーズ・セロンくらいに振り切ってアクションしないとね。

あらすじやJLOが主演のアクション映画という点で期待していたのだが、色々と残念な出来で悲しいです。もっとサイコーなアクション映画見たかったです、
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