たく

カリガリ博士のたくのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
3.8
大昔に一度だけ観て、歪んだ建物デザインが強烈に記憶に残ってたけど、ストーリーを完全に忘れてた。

冒頭、ある男が婚約者だと紹介する女性が亡霊みたいな不穏な感じで、その男が経験した恐ろしい話を回想していくところから始まるサスペンス。自由自在に変形する画面の枠と歪んだ建物デザインに超現実的な世界観を感じさせる一方で、カリガリ博士が役所でご丁寧に興行の許可を取るのが現実的で笑っちゃった。カリガリ博士が夢遊病者の興行を始めると同時に夜な夜な殺人事件が起こるようになり、いったい犯人は誰だ?っていう謎解きからの、最後はあっと驚く展開。
デヴィッド・リンチのあの作品は本作を下敷きにしてるような気がするし、他にも影響受けた作品はたくさんありそう。
画面に「カリガリ」の文字が溢れるシーンは衝撃的。

Amazonプライム版のBGMが何故かブルックナー2番を全曲ノーカットで流すという不思議な選曲。演奏時間が映画の尺に合ってるからなのかと思ったら、最後8分くらい足りなくて第一楽章の最初に戻っちゃうのが拍子抜けだったね。
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