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NOPE/ノープのhiroyokoのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!流石、ジョーダンピール!
古くからある映画王道のテーマ、ウェスタンとエイリアンを、アフロアメリカンという人種の文脈で描いてる。この2テーマとも、概ね白人文化で語られてきた。西部劇を代表する馬を調教する兄と、エンタメ世界で何者かになりたい妹。この黒人兄弟がエイリアンとの遭遇、とうか、戦いを描く。戦いと言っても、人類を救う的な意図でなく、この遭遇で何者かになる機会を得るというストーリーがいい。兄は馬を愛する誇りを、妹は何者にも負けない気概を、ラストに見せつける。このラストの乗馬とバイク疾走のシークエンスの絵がイイ!IMAXで観ればよかったと後悔。この監督の器のデカさ。無茶苦茶エンターテイメント!しかもエイリアンの造形がイケてる。未知なる生命体のデザインが秀逸で、メッセージのヘプタポットに並ぶ。
白人的価値観を様々な映像的メタファーで見せて、エンタメとメッセージを両立する映像作家としての手腕は素晴らしい。次作も楽しみです。

それと、この人の作品は、ケンドリックラマーに代表される今のヒップホップシーンを想起させる。まぁ、今の米国文化の潮流なんだろうな。
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