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野球部に花束をのShinMakitaのレビュー・感想・評価

野球部に花束を(2022年製作の映画)
1.8
都立 三鷹東高校…一年生・黒田は、高校デビューを果たすべく入学式からキャラメル色に染めた髪で登校。しかしクラスで机を並べて最初に親しくなった薫田と亀井が野球部志望というのが運のつきだった。2人に付き合って部の見学に行ったところ、流れで自分も入部することになってしまう。本入部初日、勧誘時には笑顔で優しかった2年の先輩たちが豹変、そしてグラウンドに現れた3年生たちは、たった2歳上なだけにも関わらずオッサンの風格をまとい、その顔面の恐ろしさたるや、黒田の目には小沢仁志にしか見えないのであった……

「野球部に花束を」



以下、ネタバレに狂えっ!


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万年文化部の俺には体育会部活のハードさ理不尽さというのは知識としてのみ知っているだけで、目にしたことも体験したこともない。ま、誇張はあるにせよ、経験者には「あるある」な描写が満載なんでしょうな、と思われる青春コメディ。新1年たちのキャラも立っているし、高嶋政宏演じる監督の個性も最高。どんなツライ練習も「野球が好きだから」で乗り越えてしまう彼らを微笑ましく(若干の羨望もこめて)見つめていられたね。野球映画ではなく野球部映画なので試合シーンを軽くスリリングに描かなくても正解(旧トップガンはそこを履き違えていた)、学園モノでもないから、部員以外の生徒たちが書割り扱いなのもおかしくはない。キャラたちの成長・変化はきちんと描かれているので(ただしコメディなので葛藤はない)作劇的にも間違いない。というわけで、正直貶すところがあまり無い映画。ただ、里崎智也の解説がいちいちウザかったのが難点。あの解説インサートを無くした再編集版ができたら、また観たいなと。

意外だったり常識を突き抜けたりという展開が一切ないけど、フツーの部活あるある映画として観客の共感度は高い作品。2年生編、3年生編と続編を作ることも可能だし、コンテンツ的にも優良。気楽に仕事帰りに観るには最適の一本です。



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