fonske0114

セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのfonske0114のレビュー・感想・評価

3.0
大学生がアダルトショップを手伝うことになり生活が変わっていく青春映画。
モンゴル映画×アダルトショップ×青春もの、という見たことのない設定から興味を持ち、また評判も良さそうだったため観に行った。

景色や演者などは良かったが、自分には合わなかった。

以下ネタバレ感想を。


主人公は(個人的に)とんでもなく可愛くて、多部未華子+黒島結菜+(10代の)広瀬すず÷3、みたいな容姿をしていて日本人みたいだなと思った。

モンゴル人と聞くと大相撲から薄顔のイメージがあったが、目鼻立ちがハッキリしているんだなと思った(そもそもロシア、中国とも接する国なのでそれはそのはずだった)。

ストーリーとしては青春ものということで、客やアダルトグッズを中心として主人公が葛藤をクリアし大人へと成長していく、そんな話かと予想していた。

というのもアダルトショップに訪れるのは普通のデパートに来るよりもより好みや悩みといった内面的な姿が描かれるのでは、と予想していたからである。

しかしながら、予想虚しくオーナーとの関わりからなる成長譚であった。

正直なところ、

・オーナーの魅力のなさ(過去にすごかったのならその描写が足りない、台詞が時々説教くさく、また憧れる存在に見えるような行動が足りない、元々のバイトがオーナーにより変化した、などの描写がないのでイマイチカリスマ性がない)

・彼氏の魅力はどこに?

・厳しそうな家庭だがバイトを始めてからの時間の観念がなさすぎる

・知識に行きたいのか性に行きたいのか家族に行きたいのか全てが物足りない

・そもそも主人公自身が導入部から悩んだり葛藤していることがあまり見られない(美術のくだりくらい)ので、成長としては非常にドライな駆け上がりに見られる

加えて、青春ものなので美術科転身と垢抜ける様は予想できそこのやりとりを見たかったが、結果論で片付けられてしまった。

「一人の老人との出会いで変わる」、というのは邦画「世界で一番明るい屋根」と同じ設定なのだが、その映画の方が主人公と並走して物事がすすんでいて良かったと思った。

青春ものとしては、「レディバード」という洋画が高校生の悩みや葛藤を素晴らしく描いているために、この映画は先の「世界で〜」とも「レディバード」ともどっちにもつかない、非常に中途半端な作品という印象を持った。
後は思い込みであろうが、主人公への裸等のシーンみたいな見せ方のようなものに監督の癖のようなものを感じてしまい、個人的にはダメだった。

個人的に良かったのは大草原で壁が取り払われていく草原のドライブとトラウマを払拭した夜のシーンだった。
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