キャプテン

セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのキャプテンのレビュー・感想・評価

2.9
モンゴル映画なのに、どこか北欧みたいな雰囲気がある。

『かもめ食堂』とか荻上直子作品みたい。小林聡美とか市川実日子が出てきそうな世界観がある。


ストーリー自体は別にそこまで面白くないし、ちょいちょい挟まれる謎のPV演出とか、なんか凄い荒削り感のある作品なんだけれど、主人公の女の子がどんどん自分に素直になって可愛くなってく様子が凄く良い。あと妙に音楽も聴いてて心地いい。


カティアは結局何がしたかったのか、どういう人だったのか、どこに消えたのか、あの犬がどうなったのかとか、なんかいろいろハッキリとした答えを出さぬまま終わってしまうので、結局どういう話だったんだ?って聞かれると何とも言えない感じがして少し勿体ない気もする。

でもその荒削り感が、国としてもこれから発展していくモンゴルの勢いみたいなのを感じられる気もする。
全然、遊牧民とか草原の国じゃなくて、アダルトショップとか繁華街もある国なんだってのが衝撃だったけど、当たり前と言えば当たり前。


ロシア人のような振る舞いのカティアは、ソ連崩壊前の社会主義的なシンボルとして。
主人公であるサロールは、その対比として民主主義になったこれからのモンゴルを描いているといった他の人のレビューを見て、本当にいままさに発展していってる途中のモンゴルという国の、生の雰囲気を感じさせる作品なんだろうなと感じた。