来夢

夢の来夢のレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
4.3
唯一映画館で観た黒澤映画。まだ小学生の頃に親につれられての鑑賞。当然、当時はほとんど理解出来てなかったと思うけれど、観たことすら忘れている映画もあるなか、30年たっても強烈に覚えているシーンがいくつかあって、それを確かめるべく約30年ぶりに鑑賞(なんで30年も再鑑賞せずに放置していたのか自分でも謎)。実際観ると、覚えてたシーン以外にも、ここ知ってる! ってシーンがボロボロ出てきて、やっぱり子ども心にもインパクトを与えていたんだなーって実感。
俺の観る夢はこんなに整頓されてないから、夢っぽく感じられないところはあるものの、8本に共通する「抗えないような圧倒的な何か」に「個人」が対峙するっていう点、現実に抱える恐怖や後悔、無力感といったものが現れたり、唯一自分の中の気持ちに真っ正面から向き合って、嘘偽りなく正直に晒せるっていう場所が夢だって考えると、これは確かに夢そのものなのかもしれないね。そういった夢っていうのは、ただの妄想じゃなく、現実に地続きだから、何よりストレートな現実へ向けてのメッセージになるんだよね。見かけだけじゃない、これぞアートと言えるような映画でした。
しかし、スピルバーグにルーカスにスコセッシにって、豪華すぎでしょう。
来夢

来夢