フランスのコメディは結構シュールで好きなものが多い。この映画もコメディとしての面白さはちゃんとある。んだけれど、それ以外の部分がちょっと難あり。ストーリーはよくある「仲間を集めてラスボスに挑む」系。特別驚くような展開もなく、まぁでしょうね、な展開でラストまで押し切る。なのに、途中の丁寧さが皆無なので、飛び飛びな展開に見えてしまってなんだか分りづらい。オーケストラメンバーの殆どが、お前は誰だ。という感じ。人数多いからしゃーないとはいえなぁ。しかも現実的にかなり無理のある話。大枠は面白いけれど詰めが甘いというか、適当というか。
でも演奏シーンはカッコいい。ある程度上手い演奏と下手な演奏を聞き分けられる耳が必要かもしれないけれど、下手糞な演奏はそこそこ分かりやすく下手にしてくれているので、たぶん大丈夫。もしかしたら演奏シーンだけで十分な映画かもしれないけれど、コメディ要素があることで、普通にオーケストラのDVDとか見るよりはるかに見やすくなると思うので、オーケストラなんて普段聴かないって人が興味をもつきっかけくらいにはなるかもね。
