nt708

夢のnt708のネタバレレビュー・内容・結末

(1990年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの黒澤明。どの作品も物語としては今ひとつなのだが、自分が見た(かもしれない)夢を映画にできてしまうことに、黒澤の凄さを感じる(これは素直な意味でもあるし、皮肉の意味でもある)。

今ひとつな物語とは裏腹に素晴らしいのがその映像美だろう。今でこそ技術が発展してチープに見える描写も少なくないのだが、製作当時は映像の新しい可能性を広げた点で映画界に大きな貢献をしたのではないだろうか。

特に最後の夢の映像が私の気に入った。たしか数年前に水車小屋の立ち並ぶ村でロケーションをする黒澤組の映像を観て、こんなところでロケーションをできることに羨ましさを感じたことを今でも覚えている。

もはや映画としての良し悪しを良い意味で語るに値しない黒澤映画は、やはり映画界にとって伝説的存在だったのかもしれない。
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