456京都公式

非常宣言の456京都公式のレビュー・感想・評価

非常宣言(2020年製作の映画)
5.0
いやぁ凄い映画だった(特に前半)。
生まれてから3回しか飛行機に乗ったことのないアタクシでも、この映画は怖かった(特に前半)。
韓国映画のテイストはほとんど昭和の東映映画なんだけど(個人の感想ですよ)、この作品は特にそれが顕著だった。プロットにしろ設定にしろ、過去に似たような作品は少なくないので、それほど画期的なものではないけれど、この作品は見せ方がうますぎるわ。ベタな言い方をすると、心を揺さぶられ続けるのよ(特に前半)。
Uターンする飛行機に夕日がさしこむシーンとかもシビれたし、最高だったのは、乗客の長い髪が真横に浮いていくカットから続く阿鼻叫喚の墜落シーンなんだけども、それに引けを取らないのがソン・ガンホの「カーチェイス」シーン。観客を飛行機のリアルだけでなく、地上のリアルにも引きずりこんでくれました。というか、それ以外にあのシーンの必然性あります?なくてもいいシークエンスでしょ?
後半は豪華キャスト陣が自己犠牲マウントを取り合うんだけど、そういえば元祖「空飛ぶ自己犠牲」『宇宙戦艦ヤマト』も昭和の東映映画ですね。
アタクシは韓国映画に対してある種の先入観があるので、こういう作品をすんなり受け入れられるのだけど(特に後半)、イ・ビョンホンじゃなきゃこんな芝居できないよね(特に後半)。洋画や邦画でケビン・コスナーや堤真一にこんなことされると笑ってしまうもんね。
そうそう、日本でマスクを拒否して飛行機を降ろされて逮捕された変人がいてたけど、彼にもこの映画を観てほしいなぁ。前半も後半も。
あと、犯人のジンソクさん、それ、空港のトイレじゃなく家でやってきたほうがいいよ。