歌舞伎町ホスト刺傷事件をベースにした作品。実話を元にしてますよと前面に押し出した宣伝でないのは好感が持てる。
導入が過激なあまり誤解されそうではあるが、彼女は本当にそのホストのことが好きだったんだろな。「生きてることと死ぬことはほとんど一緒だった。死んで形に残したかった」と言っていた。当事者にしか分からない愛は確かに存在していると思うし、否定されるべきではない。「私の愛し方ってそんなにダメなんですか？」というセリフもあった。でも小泉くんの気持ちにも立ってあげてよ。なんで彼とわざわざ結婚なんてしたんだよって思うし、不誠実な気がする。
終盤ずっと別れたがっていた小泉くんに対する明確なアンサーはなかった。ラストはそのテストなんだろうけど。橋本愛のインタビューにもあったが、「愛の上に良いコミュニケーションがあるのではなくて、良いコミュニケーションの上に愛がある」んだと思う。
会話と対話ができて、誠実な人が1番いいなって再認識できた作品でした。
外から狂気に見えても、本人は正常なこともあるし、人の感情は簡単に否定されるべきではないと思う。そしてその人の意思というのは、存在して良い感情だと思う。
でもやっぱりそれで苦しみを被る人は確かに存在していて、そういう人のことも考えて欲しい。その人の意思は否定されるべきでないけど、この感情を許して！！と声高に叫ぶべきではないことだってありますよ。
だからいい映画だとは思うけど、好きではない映画でした。橋本愛の演技がすごかったです。
