akihiko810

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャーのakihiko810のレビュー・感想・評価

3.9
ロトスコープ・アニメ。「6才のボクが大人になるまで」のリチャード・リンクレイター監督。

アポロ計画で人類が初の月面着陸を成功させる1969年。NASAが身近にあるサバービアで育った6人兄弟の末っ子が、なぜか宇宙飛行士としてアポロ計画に加わることに…という妄想から始まる映画。

監督が少年時代をすごした、69年の世相と、少年の日常と宇宙へのあこがれを描く。監督の懐古趣味が120%出た作品。
この時代は、宇宙への夢、ひいては未来への夢と渇望があった。それを余すところなく少年の目から描かれていてとても面白い。
そして69年は宇宙だけでなかった。ビートルズ、モンキーズ、ジャニス・ジョプリン、ジョニ・ミッチェル…ロックだって豊穣期を迎えていた。
ただいいことばかりじゃない。冷戦、ベトナム戦争、公害問題だってあった…ということを少年はおぼろながら知っている。それでも未来には夢があり、人類には素晴らしい未来がある…ということを人々は素朴に信じていた時代だった、ということを監督は描きたかったのだと思う。
とにかく楽しい映画だった。
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