akihiko810

アメリカン・フィクションのakihiko810のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.8
23年度アカデミー脚色賞受賞。コメディ映画

作品に「黒人らしさが足りない」と評された黒人の売れない小説家モンク。姉が亡くなり、母が認知症になり金が必要になり、やけになって偽名で書いた「ステレオタイプな黒人小説」がベストセラーとなり、思いがけないかたちで名声を得てしまうのだが…

アカデミー賞脚色賞の社会派コメディということで結構期待して観たのだが…期待は越えてこなかったか。面白くはあったけど。
悲惨なら悲惨なほど「売れる」黒人小説、という「悲惨黒人ポルノ」が求められる現代社会を皮肉っている。
とはいえ、認知症の親の介護など、黒人とは関係なしに生活(現代社会)の大変さが描かれていて、そこらへんもなかなかしんどい、といえばしんどい。

ラストは3つの可能性が提示されたマルチエンディング風で、そこは大いに感心した。

ただ、佳作でおわってしまった、というか、このテーマならもっとコメディ寄りに出来たはずなんだけどなぁ…という気もするのが正直な感想。
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