ほり本こう大

哭悲/The Sadnessのほり本こう大のネタバレレビュー・内容・結末

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

台湾産新感覚ゾンビパニックグロホラー、爆誕。

コロナを模したゾンビものかと思えば、これが違った。
所謂ただのゾンビではなく、言葉を発するし自らで考えることもできる、単に"欲"を我慢できなくなっただけの生きた人間。
襲ってくるのが死者ではなく、生者だからこそ、尚更恐怖を倍増させる。
しかし、身体は乗っ取られても、心は人間のまま。なので、涙は流れる。行動と感情が完全に矛盾している。このギャップが、心が残されているという設定が、とても良い。
感染者の造形や挙動もすごくいい。怖さを助長する黒目コンタクトや、いわばヤバい奴の一挙手一投足。幽霊でもゾンビでもない、新たな恐怖体験。

そして、グロさの中に悲しみが入り交じる強烈に印象に残るラスト。余韻が残らざるを得ない。