ほり本こう大

母なる証明のほり本こう大のネタバレレビュー・内容・結末

母なる証明(2009年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ通りの、真犯人を見つけ出し息子の冤罪を晴らすマッマ最強サスペンスかと思いきや、中盤以降突如としてサイコ親子映画に変貌する。
バカにされることでONになってしまう、この親子だけの殺る気スイッチ。結局は親子共々同じ行為に走る、障害があろうとなかろうと血は争えない。

本作がただのサスペンスではなく、サイコ作品に変わるある種のどんでん返し的な展開には一応伏線があるが、かなりわかりやすく期待を裏切らない。
そもそもの事件に関して言えば、死体が全く残忍な殺され方をしていないのに加え、死体の遺棄場所もかなり独特。全て明かされた後はもちろん納得するのだが、この殺人事件自体をもう少し捻ってくれていたら、前半のサスペンスとしてもっと楽しめたかなぁ、と。
社会に適応できない息子に対する、母の狂った愛故の行動を描きたかったのだろうが、結局は障害者が殺っちゃってて、しかもその罪を被るのも障害者、という障害者が殺人犯という偏見通りのオチで何か残念。

本作は軽快なおばちゃんの謎ステップから始まり、これがまさかの衝撃のラストに繋がる―というていだろうが、あまり繋がっているように感じず…。それも社員旅行のバスの中でダンスで終わりより、ラストシーンはオープニングに完全に繋がるように草原のダンスで終わり、だと個人的にはめちゃくちゃ刺さった。