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哭悲/The Sadnessのblacknessfallのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
4.0
やっとNetflixに落ちたね。実は再鑑賞。
映画館で観た時に大きな引っ掛かりがあってレビューする気が起きなかった。
今回で引っ掛かりが取れた。迷いに答えが出た。

"コイツらはゾンビ🧟‍♂️ではない❗️"

おれは別にロメロ原理主義じゃないし、むしろゾンビの反則とも言えるバリエーションを楽しめるゾンビ・リベラル、略してゾン・リベなんだけどコイツらを認めることはできねぇと断言する😬

ウィルス感染で狂暴化、要するに死んでないってのはいいよ。そんなのいくらでもあるし。ドラッグの影響でハゲで狂暴になる『悪魔の凶暴パニック』なんてその手の大傑作だと高く評価してるしな。喋れるのもいいよ👌ゾンビボーイと人間ガールの恋を描いた『ウォームボディーズ』はハートフル恋愛ゾンビ映画として楽しめたから。
問題は本作のコイツら、生前(ゾンビ化前)の記憶と意識を持ちすぎなんだよ。
ウィルスによって理性がぶっ壊れ殺人、レイプなんでもござれの残虐生物と化すんだけど、自分が誰か分かってるから電車で見かけた美女を執拗に狙ったりするのは普通のレイプ魔と変わらないんだよな。
それに頭が良すぎる。感染して残虐生物同士はチームを組んで行動する。ターゲットの実力が自分等より上と見るや「おう、ずらかれ~」とか言って集団逃走したり(牙一族的な何かかよ笑)、数人係りで体を押さえつけもう一人が腕に体重かけてへし折るとか暴力偏差値高過ぎだよ。これ、『闇金ウシジマくん』でウシジマくんが肉蝮を倒すシーンと似てたな。ウシジマくんぐらい知恵が回るなんてゾンビじゃねぇよ😩
それに、加害行為に悦楽を見出だしてニシャニシャ笑うとこもダメだ。これじゃ単なる変態快楽殺人鬼だよ。

でも、そんな暴虐変態殺人鬼が世界に溢れた世界をサバイブするパニック・ホラーとしてはハイクオリティだと思う。
笑いや爽快感ではなく気持ち悪さに全力投球したゴア、スプラッターはかなり気合いが入っていた。リアルな臓物にどろどろの血液が吐き気を催すほど凄惨な虐殺、レイプシーンで画面を埋め尽くす。本気で観る側の想定を超えようしてる意識を強く感じた。
老若男女がモラルが消え加害のバケモノとして発狂した時のなんとも人外な表情。そんな表情から繰り出される下衆す過ぎるセリフ。アンモラルさでもそれまでの境界を突破しようという狙いがあったと思う。
ストーリーも地獄と化した世界で再会を目指すシンプルなものでそのスリルをシームレスな展開で持続させるストーリーテリングもよかった。

まあ、ゾンビ映画としてはサイテーだが残虐アンモラルパニックホラー(そんなジャンルはないが)としては傑作だと言い切れる。真摯にいやなモノ見せようとする姿勢は支持する。

それと、モラルが溶解し加害欲のまま残虐行為を働く感染者達がSNSで人種差別、困窮者蔑視やセカンドレイプ発言でマイノリティや弱者に卑劣な攻撃して喜んでるネトウヨやキモオタどもと同じように見えた。実はSNS社会の負の部分を暗喩してるのかも知れない。て、ことはないだろうけど、なんかそうな風に見えたんだよな。
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