とぅん

逆転のトライアングルのとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

「ザ・スクエア」に続き、またしてもブラック・ユーモア満載の風刺劇でカンヌを制したリューベン・オストルンド監督作。

インフルエンサーの人気モデルのヤヤと、まだまだ火がついてないモデルのカールのカップルが、金を出す出さないで揉めるのをひたすら撮る第一章。
2人が乗り込んだ豪華客船に集まった大富豪達と、彼らから金をどんどんもらおうと「お客様は神様!」なテンションで近づく従業員達が織りなす、ゲロとクソに塗れた第二章。
転覆した船から脱出した一行が流れ着いた島で、サバイバル能力が高いトイレの清掃員が主導権を握って、金持ち達とのヒエラルキーが逆転する第三章。

前作はとにかく居心地の悪い作品でだったのに対し、結構黒い笑いに振りまくってて、心持ちとしてはこっちの方がだいぶ観やすかったし、ネタの1つ1つの切れ味が増してて良かった。
どこをとっても笑えるところがあったのは嬉しいのだけど、ちょっといかんせん長いかなぁと思ったのも事実。

何かこの金持ち達を滑稽に撮るのって、最近だとアダム・マッケイ作品とか、「ザ・メニュー」とか、テレビシリーズだと「メディア王」とか、あの辺を彷彿とさせるのだけど、これはより露悪的というか、もっと振り切ってるように思えた。

最後のアビゲイルとヤヤの関係性がエレベーターが見つかった途端に逆転してしまうのが切ないような。
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