前半部分を見ながらすごく考えたのは、これ主人公が女の子なら成立しにくいかもしれない、ということでした。
レオとレミは親友同士なんだけど、12歳の男の子で友達同士であそこまで(身体的な意味でも)距離が近いっていうのはあまりない気がするけど、女の子同士だったら手を繋いだり抱きついたり一緒に寝たりしても、「付き合ってる？」とからかわれることもなく、もしからかわれても「そうだよー笑」みたいに受け流したりができたんじゃないかな…。
それを気にし始めてからのレオの行動は、「男らしい」ものに完全に寄って行く。その行動自体が悪いわけじゃもちろんないけど、レオ自身が心から望んでそうしてるわけじゃない…というのが悲しい。
男らしさによって生きづらくなってしまう、そういう意味で、「バービー」と近いものもすごく感じた。
レミがどうしてそんな極端な道を選んでしまったのか？の本当の理由は誰にもわからないけど、自分のせいだと自分を責めてしまう、それを誰にも言えず1人で抱え込むレオが、見ていてあまりにも苦しかった。
レオがレミのお母さんにそのことを話すクライマックスは、ものすごくつらいけども、レオの心がようやく少し軽くなれそうでホッとした。
これからのレオが、いわゆる男らしくやっていくのかそうじゃないのかはわからないけど、自分らしく自分の意思で人生を選べる人に生まれ変わったんじゃないのかな……と、ラストを見て思えた。
