とみやま

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのとみやまのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

痛覚を失った世界。加速進化症候群の主人公は新種の内臓を生み出し続け、タトゥーを入れた内臓を摘出する手術パフォーマンスを行なうアーティストであった…。
という徹頭徹尾訳が分からない物語なのだけど、スクリーンに映されているものが隅から隅まで面白すぎて最高だった。刃で体を切って肉体を傷つけることが性的快楽になる、というのも驚いたし、肉体や臓器の表現も見たことがない表現のオンパレードだった。肉体を切り開いて、傷をつけることが自己表現たりうるというのは、この世界線で生まれなかったタトゥー文化のようで、めっちゃ面白い。内なる美コンテストの「新しい臓器部門」とか、聞いたことがない言葉すぎて最高。

「訳がわからない」のに、起きていることの並々ならぬ説得力が溢れていて、「納得できてしまう」。矛盾しているようにも思えるけど、本当にそうなんだから仕方がないし、それに、訳わかんないけど面白いんだから仕方がないじゃん!という要素はだいぶ大きくて、とりあえずニッコニコで見てしまった。

それに美術も最高。なにあのベッドは。あのご飯食べる用の椅子は。永遠に見ていられる。
とみやま

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