とみやま

キングダム エクソダス〈脱出〉のとみやまのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ラース・フォン・トリアーのドラマシリーズ。全5話なので、分割して観た。
正直、トリアー作品は良い思い出がない。一番近い記憶だと、免許合宿で福島に行った時、唯一徒歩圏内の商業施設だったドラッグストアでのこと。憩いの場的な場所で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」をネトフリで観てたら、ただでさえ憂鬱だったのに、より一層地獄のような気持ちになって遠い目をした覚えがある。

で、本作。基本コメディで、本当にしょうもなくてとても面白かった。「トリアーはしょうもない作品を作りやがった」とか劇中散々言ったり。スウェーデン人がデンマークに橋があるのを見て「なんてこった!橋を作るには高度な教育が必要なのに!」とかいちいちdisっているのも本当にしょうもなくて良い。スウェーデン人を見つけた病院の職員が、カーリングの真似をして行く手を阻むシーンは、煽りの中でも最上級で最高。

シリアスでサスペンス的な展開もあるのだけど、その要素は異常さと荒唐無稽で出来ていて、その突き抜け方が非常に面白い。どこまでも掴みきれなくてナンセンスな、どこに連れて行かれるのか分からないドキドキがあって好きだった。最後に出てくる主の正体はとても笑った。
あと、エンディングシーンのトリアーによる後説もとても良い。「歳とったんで昔みたいに表には出ません。でも喋りたい。やっぱり虚栄心には敵わない」とか、あっけらかんと喋る感じが良かった。ラース・フォン・トリアーの作品のテイストを少しだけ理解できたというか、面白いなって思えるドラマシリーズだった。
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