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聖地には蜘蛛が巣を張るのdeborahharryのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.9
note-director, actor
ううう、コメントしようのない映画。この監督さまの他の作品を見ねば。

イラン映画見るたびに、社会構造、宗教、ジェンダー、文化の違い、などなど、こちらのものさしでは測れないことばかりで、日本人が安易にどうこう言えない。

映画的なことで言うと、やっぱどこの国の俳優さんが一番お上手かといえば、間違いなくイランだわ。
犯人のお父さん、いかにも舞台の名優という貫禄と演技だった。

カメラゆれゆれだが、ファルハディ監督ほどの緊迫感と、隣で観てる感はなかった。カメラワークの不安定さで内容を表しているとは思いますが、ちょっと構図が甘いような。

ロケ地がロケ地だけに、イラン映画特有の、はっとするような景色もなければ、色彩美もなく、乾いた不穏な空気だけがうまく処理されているかんじだった。
実話がベースなんで、そこはしゃあない。

犯人捕まってからのイカレタ人たち(というか社会?)の描写は、日本人的には、これどうすりゃいいのよ、と固唾を飲んで見守るしかないが、長男、ちとかわいそうだった。あーゆーピュアな子ほど一歩間違えると、踏み外すんだろう。
ゆえに、ラストは、かなりこたえる。脚色なのか?キョーレツすぎな
ラストカットでぽんと終わらせる潔さ。

イカレ犯人は、なぜとちゅうではめられたのか。
なぜ、お仲間(ご親族?)は、あんな風にはめたのか、ちょっと社会構図がわからず。
司法までグルかと思いましたが、それは違うんだ。

警察は、腰抜けなのか、腐敗しているのかもイマイチわからず。

最初の方で911のニュースが流れていたから、今から20年ぐらい前の事件だけど、イランはまだケータイ
普及してなかったのか、とか、思った。

ジェンダー問題は、地域によってかなり差があると思われるが、テヘランぐらい都会だと、あーゆー女性ジャーナリストいらっしゃたのだろうか?
架空の人物らしいが、あの女性ジャーナリストだけが、未来から来た人ぐらい先進的すぎにも見えた。

監督さまイラン人だが、デンマーク?で映画の勉強されているから、
べったべたな20年前の女性はあえて避けたのかな。

正義とはなんぞや。
イラン映画のおなじみのテーマだが、この路線でファルハディ監督を超えられる監督さまは、なかなか出てこないなー。

先日見た「君はまだ行く先を知らない」の巨匠の息子、30代のパナ匕監督に軍配があがる。
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