アネモネ

聖地には蜘蛛が巣を張るのアネモネのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.0
前作のボーダーはマイノリティの生きづらさの話だとすると、
今回はジェンダーや宗教や搾取と貧困、そして
大きな声による社会の分断の話なんだと思いました。
サスペンスとして描かれるのは実際に起きた事件をモチーフにしてるからで、その事件の根底には根深い社会の問題があるってことなんじやないかと。
だから最初から犯人を見せるし、どちらかと言うとイスラム社会の中だから際立つ女性の生きづらさや、どうして娼婦という仕事をしなければいけないのかと言う政治や差別・貧困の問題と権力の腐敗が宗教と言う建前を元に何重にも炙り出されていて。
ボーダーはヒリヒリ感、今作は重い鬱蒼感が漂う感じでした。
あんなバレバレな犯罪って!と思う人もいるだろうけど、それくらい庶民が簡単に行動してしまうほどの思想が問題のヤバさを強調してるようにも思えました。

時代は2000年代初頭だけど、イランだけじゃなく世界は今も変わってなくね?
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