ももさく

あちらにいる鬼のももさくのレビュー・感想・評価

あちらにいる鬼(2022年製作の映画)
2.0
1966年、家から出てきたはるみは車で待っていた白木の隣りに乗り込むと着物をやたらと褒められる。2人は徳島文化講演会に出かけた。





長内みはる (寺島しのぶ)小説家。20年近く会ってない娘がいる。

白木篤郎(豊川悦司)小説家。4歳の時に母親に捨てられた。

白木笙子 ( 広末涼子)篤郎の妻。料理上手。

白木海里 (諏訪結衣)篤郎と笙子の娘。

白木焔 (太田結乃)篤郎と笙子の娘。

小桧山真二(高良健吾)みはると暮らす男。

秦(村上淳)坂口初子(蓮佛美沙子)矢沢祥一郎(佐野岳)新城(宇野祥平)白木サカ(丘みつ子)他。




瀬戸内寂聴と井上光晴の不倫をもとにしている上に、これを書いたのが井上光晴の娘の井上荒野とな。もはや世の中に常識などないなと思える今日このごろ。

「愛の流刑地」コンビ。「愛の流刑地」の方が衝撃的な内容でしたがこちらもその2人のあんまり激しくはないがラブシーンあり。

トヨエツと広末涼子の最初の自転車二人乗りが若くないのに美しく感じた。なのに話してる事が、そんなたんたんと話す内容じゃないのにゾッとした。


「どうして奥さんが謝るんですか?随分傲慢なんですね」

   「俺と貴方は同じ誕生日なんですよ」

恋愛体質な男なのか…女にもてて女がとぎれない男って実際いるんだろうけど結局色んな人と肉体的なのがなけりゃ満足できない訳?って感じだし後先考えずってのが私には全く共感できない。


トランプ占い、お酒とスルメ、クリスマス、三角帽子、遊郭の話し、女の更年期、故郷、学生運動、黒電話も印象的。

   「ストリップ…してるんですってね」

感情的にならない妻ってのもなぁ…夫に何を求めて一緒にいるのかもわからん。金や体や性格じゃなさそうだし、仕事へのプラス?な訳ないか。色んな女と外でもやりまくりなのに妻にもせまってくるなんて気持ち悪いとしか言いようがない夫だし。反省とかもないどころか日常?それが普通?みたいな空気感がある。

このような男ならば結婚などしなきゃいい、子供なんか作らなきゃいい、1人で自由に生きればいいのに…と思ってしまう。

「愛してると言ってくれて」や「青い鳥」の時のスレンダーなトヨエツのラブシーンはセクシーでエロ美しいとすら感じて見てたのにキモッと思う日が来るとはなぁ…。ぽっちゃりおじさんだからだけでなくて役的性格が無理でした。

   「私、出家しようと思ってるの」

そもそも出家とはなんぞや?と思い調べた所、
これまでの生活や家族、友人など修行の妨げとなる世俗の生活を捨て、仏教の修行をすることらしい。で?何故出家?欲を無にする為って説明のが判り易いが違うのかな…。

瀬戸内寂聴のWikipediaを読ませてもらうと、本当恋愛ばっかしてますね、しかも既婚者だったり三角関係だったり…なんやかんや。

そんなにすぐに好き〜!やりたい〜!みたいな情熱的になれる相手に頻繁に出会えるもんですかね??ある意味幸せ?なのか?。

私なんか年取ってから人をぜーんぜん好きになりませんよ。むしろ人を嫌いになっていくから困っている。人を好きになりたいもんです。

不倫やらは、置いといて(置いといちゃいかんかもだが)そこそこ年いっても夫婦仲良しとか恋愛してる人いいなーとは思う。


    「嘘つきなんですか?白木さん」

この作品は一途な人誰もいないんで、一対一のラブラブ作品好きな人には全く不向き。性欲という煩悩を捨てるなら全員出家した方が良い。

不倫系映画好きな作品もあるんだけど、これは見てて何も得られないイラッとする作品でしたねー。ただ3人の演技は素晴らしい。

他人にどうみられようと、勝手であろうと理性で抑えられないレベルにやりたいと思う気持ちってのは止められないもんなんかな…でも人って理性あるし我慢もできるよね…。我慢ができてる時点で、その程度なのかと考えるか…理性無い人を我慢が足りんと思うべきか…それとも昭和という時代のせいなのか…ムズっ。

この人を好き!って熱さをあまり感じなかったってのと体の美しさとかエロさ的にもいまいちだったのとで欲だけに走ってるだけな気がして映画を見てて情が移らなかった。

奥さんを主役にした方が面白かった気がしてならない。

何本か見たが瀬戸内寂聴の映画は、やっぱり私には合わないのかもー。世の中的にすると叩かれる不倫とかをして苦しむ人には瀬戸内寂聴は寄り添えたのかもね、自分もしてきたから。

でも、その勝手で傷つく人がいるからねぇ…それぞれが納得の上ならまだ許せるが。

お亡くなりになる前にも秘書の方とよくテレビに出てて瀬戸内寂聴ってニコニコして、それらしい事を語っててお肉モリモリ食べてて裕福なイメージしかなくて、まさかこんなに波乱な人生だっと知ると、うーん…となりますね。

この映画好きって人は自分と共感する何かがある人じゃなきゃなかなか難しい気がしました。