Ginny

ゴールデンカムイのGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

良かった…!!!!!!!

漫画全巻読破、本映画でも監修に入ってる中川裕さんの本も読んだけどマニアックに覚えてるファンというわけではない人の感想。

実写化なんて期待してませんでしたが好評の口コミを見てこの波に乗らないとと思い見ることに。
映画館で見て正解◎
所々で体に響く爆音があります。想定外。

漫画の和風闇鍋ウエスタンのテンションをどう映画で表現するのか、最初からドキドキだったのですが…最初から最後まで。始まり方から終わり方まで本当に良かった…!

最初が想定外にど真面目に真摯に描かれていて良かった。目を背けたくなるような戦場の光景(これでも多分まだやさしい表現かな)、役者の肌の汚れ方に、『この映画、本気だぞ…!』と気概を感じた。こういう細かいところまで手を抜かないとそれだけ本編にリアリティが生まれますね。

漫画を読んでいた時もそのエピソードは読んでいたけれど映画ではより杉元佐一の故郷、寅次、梅子とのエピソードが際立っていて胸を打つ。

冒頭の203高地での手を抜かない真剣な描写、気迫に圧倒され涙が込み上げた。
そして終盤、杉元が改めて寅次と梅ちゃんの話をするところで、より、杉元の想いが伝わって泣けた。晴れの日の婚礼衣装を着た寅次ですら手を抜かずぶん投げるような杉元を、戦場で寅次は力を振り絞ってぶん投げたんだなと思うと、それをした寅次の気持ちも、それを目の当たりにして生き残った杉元の気持ちも、ギューーーーーーンって伝わって締め付けられた。
序盤から漂っていた、不死身の杉元と、"不殺(ころさず)"を貫くアシリパの対比が何故この作品で心に引っ掛かりを与えるのかと思うと、杉元と梅ちゃんの戦後の再会のシーンがきちんと映画でも描かれることで伝わる。映画の構成が良い。

冒頭で一番グッときたのは、『GOLDEN KAMUY』のタイトルの出方。
アホみたいなドギャ〜ンとド派手なのが出てくるかと思っていたので、北海道の雄大な雪原をポツンと歩く杉元を背景に、大きいとは言えないポツン、とタイトルが出たところでこの映画、本気だ、と改めて思った。
ゴールデンカムイを和風闇鍋ウエスタンのおもろ成分だけのものとして受け止めず表現せず、シリアスなドラマ部分も真剣に捉えてくれてる製作陣なんだなと、誠実な作り手なのだと伝わった。

マキタスポーツさんが出てきた時に、ピッタリすぎてニコニコからの第二の囚人も漫画の雰囲気そのままで日本のおじさん俳優(?)のバリエーションすごいな!と感心。

山崎賢人の横顔がとても綺麗で、ふとそれを見て、そういえば杉元も(アホみたいなことしてること多いけどなんだかんだ顔は)イケメンだしな、と急にストンと腹落ちして納得できた。
あと軍帽からはみ出る髪の毛の感じが漫画そのままの再現で感動した。

山田杏奈ちゃんのアシリパ可愛い〜髪の毛黒くしたくなった。
喋り方にアシリパのしっかりした、意思のある様子が多分に感じられてとても良い。
変顔とかツッコミとかギャグとか難しい漫画のテンポ感も見事に演じていてすごい!

白石良かった。
キャスティング妄想とかでF組のMさんとかよく予想されててわたしはとても苦手で嫌だったので、矢本さんで良かった。
白石もなんだかんだ漫画だと可愛い顔立ちで、そこは違うかな?とも映画を見る前は思ったけど、身のこなしが完全に白石。アシリパと杉元の2人だけの時にはない和やかな雰囲気の出し方(桜鍋)とか見事。
あと、やっぱ3人の役者さんのバランスを考えると適任という感じ。良い良い。

尾形。
まじで、短剣構えたシーン原作そのままで度肝抜かれた。怖いくらい。
YouTubeに上がっていた裏側を語る動画で、眞栄田さんが監督と話してここは完コピにしようとなったと言っていてなるほど!!マジの完コピだった。すごすぎる。

ゲンジロちゃん。
かわいすぎる。大谷良平さんのキャスティングが絶妙。あ〜〜〜〜〜〜もっともっとこの先のゲンジロちゃんが早く見たい。

鶴見中尉。
玉木宏ありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうございます。
原作では狂気的で怖くて苦手だったけど玉木宏演じる映像出たらあまりに素敵で手のひらくるり。こりゃ人を狂わせるわ、と説得力ある。
ただ舘ひろし土方さんが声音を変えてて良かったなと思ったのだけど、玉木鶴見は結構玉木宏の声色で、最初の登場の時はアレ?と思ってしまった。
早く…早く篤四郎さんの過去編見せて!!!傷のない玉木鶴見を拝ませて!!!!!の気持ち。

土方さん。
ちょっとイケおじが過ぎる(訳:本当にすんごく良かった)。
本当に、良過ぎる。ちょっと、本当に、かっこいい。
新撰組もおじさん俳優もハマったことなくて、原作読んでても萌えることはあまりなかったのですが、映画の舘ひろしさん演じる土方さんは良過ぎる。これがトキメキってことかって気づく。早く…早くもっと色んなかっこいい土方さんをもっと見せてください!!!!!

牛山。
女郎のあの投げを映画でやるとは笑
はんぺんの再現性良過ぎ!チープじゃないけど一定以上のおかしさは担保されてる感じ!

コタン。
アイヌの人々が元気に暮らしてる様子が映画とは言え高画質で見れて感動した。
日本橋高島屋史料館TOKYOの企画展示『まれびとと祝祭』でアイヌの人々の映像や衣服、小物を見たことがあり、特に衣類・小物は実物が見れて嬉しかったけど、時が経ってるからボロボロ、色褪せていた。それが印象になってしまっていたけど、生活当時は使用感はあるけれど新しくて、そうか、そりゃそうだよね、とカラー映像で気付かされた。歴史的史料じゃない、日常使いの日用品なんだなと。
アイヌの子供達が遊んでる様子とか、雪山で人が通る道だけあいてるとか、そこで生きてるという生活感が感じられて良かった。

日本映画のCGは、動いているものを描くのにはまだまだハリウッドの足元に及ばない、特に動物はと今まで思ってました。キングダムでも騎馬戦の馬は難しいと勝手に感じてた。
でもそれが、本作では見事に表現されていていつの間に!?(何様ですみません)と感動。
すごいよ〜〜〜〜〜〜。

たま〜に片手で数えるくらいかな。
繋ぎ方とか描き方とかCGとか、アレ?って思うところあったけど、あまりに作品が素晴らしくて、うん、でも意図があるんだな!とか、うんうんそういうこともあるよね!と気にせず肯定的に見れる。それほどに本当に良い。

本編の終わり方が急にドギャ〜〜ンって感じで楽しみをいっぱい投下してくれて!!!!
家永もインカラマッもキロランケもあと、平太師匠も!?!?この先もあるって期待していいのォ?!という終わりで最高。
これだけでも良かったのにエンドロールの桜鍋でニッコニコ。ありがとうありがとう。

月島も超月島で良かったです。
二階堂への飛び蹴りも、椅子くるんも再現ありがとう。
井浦新アチャぴったり。
津田健次郎さんのナレーション最高。ゴールデンカムイの世界観が支えられてる。

こんなに素敵な実写化で、イチオシ鯉登のキャスティングも楽しみです!!!!!!!
早く続きが見たいです。


エカシオトンプイから変更があったのは何故だろう
Ginny

Ginny