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ゴールデンカムイのSSDDのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.5
◼︎感想(ネタバレなし)
初めて思いました、漫画原作で実写化する意味のある映画になっています。妥協なし、原作を破壊してもいないし尊敬しているのがわかります。

前評判が良過ぎるのでメイキングなどを観ましたが、アイヌ衣装や言葉の監修を付け、キャスト達はかなり体当たりであり、キャラを再現性に拘っているのもわかります。

そして圧倒的に漫画やアニメではできない自然の情景美と、戦争シーンの圧巻の迫力が実写化したことの意味を成している。

映画という尺上ストーリーの切り貼りは仕方がないのですが、情緒を描くシーンに対しての尺をしっかり取り原作のセリフを大切にして、その上で間引くシーンも厳選されているのを感じました。

漫画原作で邦画の中でトップだと私の中では感じる作品でした。この調子で次回作以降もクオリティを保ってもらえたら最高ですね。

ちなみに原作、アニメ共に愛してやまない作品なのでここまでの仕上がりは想像できなかったです。
※もちろんショボVFXシーンとかちょろちょろあったりしますので、手放しではないですけど。







◼︎感想(ネタバレあり)
・序幕の素晴らしさ
ナレーションをアニメ版の尾形の声で初め、原作との進行入れ替え、インパクトのある戦争シーンから始める。杉本という男がどれだけの闘争本能を持った男か、戦争で蝕まれたかを象徴するシーンは圧巻。
このシーンから始まるのは確かにストーリーの始まり方としてわかりやすかった。

・キャラクターの再現度
アシリパ、白石、鶴見、尾形、月島など再現性が高く原作に対しての意気込みなど語っていたキャストもいたし、川に落ちる杉本、白石も実際に真冬の北海道の川に入るのは恐れ入る。

不安だった杉本、鶴見も良かったし、コレジャナイ感は感じることはなかった。欲を言えば牛山さんがもっと巨漢であってほしかったくらいか。

・原作よりも厚く描く情緒
アシリパさんと組もうと決意を固くする瞬間や、杉本の過去、戦争での心を無くす瞬間など情緒を原作、アニメよりも濃淡に描き出しているのは素晴らしい。

・今後何作だろうか
原作でいうと3巻程度しか進まなかったことを考えると4作以上やらないと難しい。
網走、樺太、函館としても残り3つでは厳しいな。
兎も角、残りも同じクオリティで描くとしてもキャストの負担も大きいし、年齢が徐々に上がってしまうので終わりには10年くらい経てしまうのはなんとかなるのだろうか。
ともあれ、このクオリティが邦画ができるというのは本当に喜ばしい。ゴジラといい邦画の素晴らしさを感じられました。
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