なみつ

ゴールデンカムイのなみつのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.7
昔原作を紹介されたとき、青年誌によくあるリアルな感じの絵にちょっと抵抗があってスルーしてしまいました。
結局数年後にアニメから入って感動して原作を読み漁りました。この映画も誰かにとって原作を手に取るきっかけになってくれると思います。そうなってほしいと、心から願います。


たまにある、どうしようもないタイプのマンガ実写化ではなかったです。何がちがうんですかねー。舞台が日本で、ちょい昔の時代なのがけっこう大きいのかな。
この作品で得られる感動は原作やアニメで体験済みなので新たなものはほぼなかったけど、アクション要素はけっこう新鮮だったかも。久保監督!なんですもんね。よく考えたら。
途中まで、チタタプはまだか、チタタプは…と思いながら観ました。
冒頭はアルファベットのタイトルが静かに出て、最後は原作のロゴが激しく「ここから始まるぜ!」と言わんばかりにどーん!なのよかったです。


特に再現度に感動したのは月島軍曹、フチ、永倉新八です。
アシリパさんは個人的に白鳥玉季ちゃんが演じるのを観てみたかったんです。凪のお暇でやっていた、大人びてるけどやっぱり子どもだよねーな感じとか、声がちょっとハスキーなのとかがイメージぴったりだったので。それはそれとして山田杏奈さんはよかったです。変顔ばっちり!

杉元は、改めて考えるとかなり複雑なキャラクターだなと思った。前提としてはかっこよくて、背負っているものもあるんだけど、ぱっと見の性格を構築する成分の大半はどちらかというと軽い、チャラいな方向な気がする。頭を使うより本能と野性で生き残ってきたような。けど決めるとこは決めるという。山崎賢人さんだと、その軽さ成分がちょっと、少ないのよなー。真面目に見える。でもそれは演技じゃなくてイメージだし、じゃあ他に誰がってのもなかなか思いつかないです、杉元に関しては。軽すぎたらそれはそれで、杉元が失ったものをアシリパさんに見て、ものすごく大事にしたいっていうあの感じが薄くなるし、、、難しい。
牛山さんは思ったよりサイズが小さかった。ハグリッドくらいあると思ってた。

「倭人にしてはやるな」と、「男子たるもの」のセリフがなんか好き。あと、鶴見中尉に指を噛みちぎられた上司が「貴様、正気ではないな」っ言うのも好き。文字どおり噛ませ役だけど、そこは冷静に判断してる感じが。実際正気じゃないからね
あと、クマって。イントネーションは槍とか蔦とかと同じなのか、三重とか父とかと同じなのか。アニメは前者だったけど映画は後者だった気がする。

杉元ってなぜか帽子を意地でも脱がないイメージがあったけどそんなでもなかったっけ。杉元が来ている軍服と、第七師団の方々が来ている軍服が別であることに映画で気づきました。



ゴールデンカムイでは鶴見中尉が特に好きです。騙されて利用されてることがわかっても尽くしたい、むしろ見出されて光栄と思わせられるほど心酔するってのも、もしかして悪くないのかもとか。
杉元やアシリパさん、谷垣たちももちろん大好きです。 

続編を待てるはずもないので、途中で止まってしまっている原作をそろそろ再開しよう。
なみつ

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