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呪詛のTSのレビュー・感想・評価

呪詛(2022年製作の映画)
2.9
【移りゆく呪い】68点
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監督:ケヴィン・コー
製作国:台湾
ジャンル:ホラー
収録時間:111分
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 netflixで最近配信された台湾発のホラー映画。巷では台湾最凶のホラー映画とされているようですが、自分としては『哭悲』の方を推したいと思います。いわゆる「呪術系」ホラーは苦手です。苦手というのは怖いからということではなく、怖さがわからず物足りないからということです。流石に今作はPOVでおどろおどろしい地下道などが舞台なので、映画館で見たら恐怖度は倍増するかなと思いましたが、怖いがいわゆるびっくり系のところしかありませんので自分としてはやや物足りなかったです。もっとも、全身に呪文を書いたり、呪われて頭を打ち続ける人物も出てくるので、誰かが呪われた描写が苦手な人からすると結構怖い作品になるかと思います。

 今作はほぼPOV視点で、自分もPOVの映画は好きなのですが、今作のPOVは明らかに不自然なところが多いです。今作に限ったことではないですが、この状態でその映像撮る?というシーンが多いです。宗教的禁忌や儀式をなんとかして撮ろうとするのですが、そんなことをすればろくでもないことが起きることは誰でもわかるはず。廃墟に行く人と同じようにいわゆる自滅しにいってる作品なのであまり共感ができないです。

 今作を見て『パラノーマルアクティビティ』を思い出しました。何かに取り憑かれた存在が余計にその作品に恐怖を与えているというものです。しかし、この恐怖要素にフィットしなければ今作は結構厳しいと思います。そしてその呪いを解こうとする呪術師なるものが出てきたらいよいよ個人的には無理。今作にはそのあたりがなかったのでだいぶマシには見えたのですが、評判通りの作品ではなかったかなと感じました。で、その呪いは伝染していくようで、このあたりを阻止する姿勢はジャパニーズキングホラーの『リング』を思い出されましたがやはりインパクトが弱いですね。

 褒める点をあげるとするならば、冒頭の観覧車の回り方など、鑑賞者に心理テストをしてくる点。また、やはり終盤の地下道のシーンは、どれだけ恐怖耐性がついていても、薄目で見たくなるシーンでよかったかなと。冒頭から中盤までグダグダしてるので、このあたりを早めに持ってきたらもっと怖かったかもしれませんね。
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